私が働いている新型コロナウイルス専用病棟の状況をアップデートしていきます。
大阪では一日の感染者が1000人を超え、入院患者も勢いよく増えています。私の病棟も常にほぼ満床で、患者を入れる部屋がないため、隔離解除となった患者がいればすぐに他の病棟に送ったり退院させたり、他の病院に送り出して新しい患者を受け入れています。
私の病棟は軽症~中等症の病棟ですが、重症者がかなり増えていて、今は50-60代の重症者も多いです。
この間の記事でも書きましたが、今回の第4波では既往歴や喫煙歴のない比較的若い人の重症化も目立ち、30歳台で重症化した例も実際にみています。
第1波のときからコロナ対応に当たっていますが、状況は変わってきています。
ICUでの管理が必要となる患者(患者の喉から管を入れて呼吸器を使用する挿管管理や、ECMO使用)も増えていますが、私の病院はICUが満床のためICUも他の病院に要請して一部の患者を送り出しています。
他の病院の重症患者用のベッドも大阪府全体で空きが少なくなっており、転院の待機患者も増えているようです。
なんとか今の時点では私の中等症病棟で挿管患者をみるには至っていませんが、それは挿管対象の患者をぎりぎりまで挿管せずに様子をみたり、ICUの患者を転院させたり、患者が亡くなってベッドが空いたりするタイミングが合うことでなんとか保っているからであり、もう時間の問題かと思われます。
コロナ患者の重症化は速いスピードで起こり、一晩で急変することも多いため、今後病床の調整が間に合わないことも出てきます。重症管理の出来る病棟や、管理できるスタッフは限られているため、挿管する患者の優先順位をつける必要が出てきます。それは患者や家族にとっても、医療従事者にとっても辛いことです。
また、重症化率があがっていることによって、家族を一度に失ったり家族みんなが重症化するケースが増えています。私の病棟でも、家族の中の複数名が重症管理になっているケースは多く、自宅に残された家族や入院治療を受けている家族の恐怖は図り切れません。荷物を持ってきてくださったりした家族と話す機会もありますが、みんな大きな不安を抱えています。とくに、自分が最初に発症したと分かっているケースでは、自分が家族みんなに移してこうなってしまったと、罪悪感に苦しんでおられる方も多いです。
感染した人や移した人が悪いといった極端な誹謗中傷がありますが、それは間違っています。365日24時間完全なステイホームをしていない限り感染リスクはゼロにならないし、移る時は移ります。でも、もし自分がその立場になったら、自分のせいで家族が死にかけている/死んでしまったと、自分を責めてしまったり、感染を防げたのではないかと後悔するのではないかと思います。
いろんな価値観があるし、それぞれが置かれた状況があるため、一概にみんなもっと自粛すべき!とかは思いません。でもその最悪のシナリオを理解したうえで、自分たちの行動を考えてほしいと思ったりします。
まん延防止措置の効果があれば4/19頃に効果が表れるだろうといわれているそうです。
また、定期的に現場の状況を適宜アップデートしていきたいと思います!
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[…] 前回、4/14 私が働くコロナ病棟の現状 の記事を書きました。 […]
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