9月からNPOでの就職が決まり、NPO業界について勉強し始めてから気になっていた、”ファンドレイジング(資金調達)” のオンライン研修を受けました。
一切ファンドレイジングに関わったことがなく、人道支援を行うための資金調達・寄付のことかなあ ぐらいの知識しかない初心者でしたが、研修を受け、ただの資金調達だと思っていたファンドレイジングへの見方がガラッと変わりました。
研修で学んだこと踏まえて、ファンドレイジングについて・ファンドレイザーの意義について自分なりにまとめています。(有料研修なので具体的な内容ではなく、ファンドレイジングについての一般知識やファンドレイザーの意義について、私が考えたことを書いていきます)
ファンドレイジングとは?
ファンドレイジングとは、NPOが活動のための資金を個人、法人、政府などから集める行為の総称です。(日本ファンドレイジング協会)
NPOの資金調達というと、寄付集めを想像しがちですが、広義で言うと、会費や政府からの助成金、事業収入や融資など、全てを含んでいます。
そもそも、NPOってなに?NGOとは違うの?という方は、【NPO解説】NGOとの違いは?ボランティア? も読んでみてください☻
日本ファンドレイジング協会について
今回私は 、日本ファンドレイジング協会の、オンライン研修シリーズ⑮ 「始めよう!ファンドレイジング入門」を受講しました。
日本ファンドレイジング協会は、寄付・社会的投資が進む社会の実現を目指して、2009年に設立されたNPOです。
認定ファンドレイザーの資格制度や、ファンレイジング・日本、子供向けの社会貢献教育、遺贈寄付の推進、寄付白書の発行などを行っています。(日本ファンドレイジング協会 私たちについてより)
このファンドレイジング協会、ただ資金調達の方法を学んだり、寄付を促進することを目的とした団体ではなく、かかげるビジョンはもっともっと大きいです。
ファンドレイジング協会のホームページで、
日本ファンドレイジング協会は、寄付・社会的投資が進む社会の実現を目指しています
日本ファンドレイジング協会:https://jfra.jp/
とかかれているように、NPOが資金調達できるように、というゴールではなくて、寄付や社会的投資が進む社会を目指していることがポイントだと思いました。
日本は寄付後進国!?ファンドレイジングを学ぶ意義とは
これまで何度も、日本は寄付する人が少なすぎる、といった情報を目にしてきました。
今回、寄付大国であるアメリカやイギリスと比較してみましたが、特に金額やGDP比でかなり日本は少ないことが分かります。
寄付は、法人寄付と個人寄付がありますが、まずは個人寄付の国際比較表を作ってみました。
☆個人寄付の国際比較(出店:寄付白書2017)
国 | 円換算 | 名目GDP比 | 寄付者率 |
日本 | 7756億円 | 0.12% | 45.4% |
アメリカ | 30兆6664億円 | 1.44% | 63% |
イギリス | 1兆5035億円 | 0.54% | 69% |
韓国 | 6736億円 | 0.5% | 35% |
これをみて、日本はやっぱり遅れている・・・とも捉えられますが、動向をみてみると、日本の寄付市場はまだまだ成長する余地があることが分かりました。
東日本大震災前が寄付者率30%(約5000億円)だったのに対し、
東日本大震災が起きた2011年には70%(約1兆円)になり、
2017年には45%(7756億円)。
このように、震災をきっかけに寄付者率・寄付金額は増加傾向にあることが分かります。(出典:寄付白書2017)
さらに、2020年に内閣府が出した調査結果の、”社会貢献意識”についての項目では、
何か社会のために役立ちたいと思っている人の割合は、63.4%でした。
63.4%が社会のために役に立ちたいと思っているけど、実際に寄付をするのは43%。
このことから、日本はまだまだ寄付市場がのびる余地があり、そこにファンドレイザーの意義があります。
日本ファンドレイジング協会の代表理事である鵜尾 雅隆さんは、同ホームページで下のようにかかれています。
私たちは、「社会のために、何か役に立ちたい」と考える人を「枠」超えて繋ぎ、社会の課題を解決するために、寄付・社会的投資が進む社会を実現します。
社会のため、困っている人のために何かしたい、けど何から始めていいか分からないし、自分に何が出来るのかも分からない・・・という人って、日本にたくさんいると思います。
そういった人を巻き込んで、課題解決のために一緒に取り組める社会を作るために、ファンドレイジングを学ぶ意義があるのだと私はとらえました!
ファンドレイザーになるには
ファンドレイザーは、文字通りファンドレイジングのプロフェッショナルです。
ニーズはどんどん高まっていて、日本ではあまり馴染みはないものの海外では人気職業にランクインし、待遇も良くなっているそうです。
ファンドレイザーは、組織で働いたり、個人で働く場合など、活躍の場は様々です。
日本ファンドレイジング協会ホームページでは、ファンドレイザーについて以下のように書いています。
社会課題を解決するために、続々と生まれる魅力あるNPO・社会起業家と、社会貢献に関心のある7割の日本人(2013内閣府調査)をつなぐパイプラインが「ファンドレイザー」です。
ファンドレイザーにはなるのに特別な資格は必要ありませんが、日本ファンドレイジング協会は、ファンドレイジング力を底上げするため、研修制度・資格制度を設けています。
ファンドレイザーの資格制度
日本ファンドレイジング協会が設けている資格制度では、準認定ファンドレイザーと、認定ファンドレイザーの2段階あります。
〇準認定ファンドレイザー
ファンドレイジングの基本的な要素を抑えることを目的とし、未経験者でも取得可能。
必須研修と、選択研修によるポイントを組み合わせることで試験を受けることが出来ます。
〇認定ファンドレイザー
3年以上の有償実務経験も踏まえて、包括的なファンドレイジング力が問われる。
3年の実務が必要です。 必須研修と選択研修でポイントを取得することで、試験を受けられます。
さいごに
研修の中で講師の方が、
”ファンドレイザーは、ただ資金を集めるプロではなく、
社会課題を解決していくプロフェッショナル”
と話されていて、ファンドレイザーってかっこいい!もっと勉強したい!となった私は、すっかり準認定ファンドレイザーの資格を取る気になっています。
まだファンドレイジングに関わったことのない段階ですが、これからのんびり勉強していこうかと思っています☻
もっと、善意の輪が広がるだけでなく、善意を能動的に行動に移せるひとが増えたらいいなあと思いました!
読んでいただいた方、ありがとうございました!
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