山本敏晴さん著 「世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団」の紹介と感じたことを書いていきます。

山本敏晴さん 「世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団」
国境なき医師団の医師として活動されていた山本敏晴さんがかかれた本です。世界で一番いのちの短い国、シエラレオネの当時の平均寿命はなんと34歳だそうです。衝撃的な数字です。
ちなみに、今の平均寿命はどうなっているか調べたところ、UNFPA(国連人口基金)2020年版の世界人口白書(State of World Population)の統計で55歳と、当時より20歳以上伸びていました。
それでも日本と比べると30歳ぐらい違います。
平均寿命55歳は、ナイジェリア、レソトと並んで198か国中194位。
最下位は中央アフリカ共和国の54歳ということが分かりました。
参考URL:https://memorva.jp/ranking/unfpa/who_whs_life_expectancy.php
そんなシエラレオネで、国境なき医師団の医師として働いていた山本さんが、当時の現地での生活や活動、医療の現状などについて書かれています。
いろんなエピソードが書かれていて、国境なき医師団の活動だけでなく、現地での生活(下痢やゴキブリと戦う話など)まで知ることが出来て、すごくおもしろいです。
でも、それよりも「本当に意味のある国際協力とはなにか」ということについてものすごく考えさせられる本です。
すごく分かりやすく、楽しく読み進めながらも、国際協力とはどうあるべきかについて考えることができました。
ピース・コロナイゼイション(Peace Colonization)ということば
本の中で、ピース・コロナイゼイション(Peace Colonization)という言葉が出てきます。
”人道主義 の 皮 を かぶっ た 精神的・文化的 な 侵略 行為”だそうです。
(山本敏晴. 世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団 (Kindle の位置No.1735-1736). 小学館. Kindle 版.)
これまで、いろんな団体の活動を調べた中で、私の中でいまいちしっくり来ないことがたくさんありました。教育とか医療とか、どんな分野でも、先進国から来た人が現地の人に“教える“ことが、いろんな国際協力活動の中に組み込まれていて、それって本当に現地のひとの幸せに繋がるのか、疑問というか違和感を持っていたけどうまく言葉に表せませんでした。
それがこのピース・コロナイゼイションという言葉を知って、その違和感の正体がわかったような気がしました。
伝統的な性器切除の問題など、文化や伝統と、西洋医学の正義が対立することは多くあってすごく難しいと思います。
病気の人を助けたり、問題を解決するために支援は必要だけど、現地の人の伝統とか文化をもとに計画をたて、価値観や文化の押し付けにならないようにすることの重要性を改めて感じました。
平均寿命が短い国での死生観とは
この本を読んでから、個人的に、平均寿命が極端に短いアフリカの人々の死生観が気になっています。
シエラレオネでは乳幼児死亡率もめちゃくちゃ高いため、高確率で自分よりも若い家族を亡くす経験をしているはずです。
日本でそれを経験することってすごく少ないので、アフリカの人たちが若すぎる死をどう捉えて、どう受け入れていくのかとか、気になります。
日本の医療現場では、不自然な延命治療に疑問を持つことがあります。意識もなく、寝たきりで機械につながれる人たちが多くいます。それが絶対悪いとはいわないけど、そういう日本人の死生観と、アフリカの死生観とかを比べて調査してみるのもおもしろそうです。そこから私たちがアフリカの方々から学べることはたくさんあるんじゃないかなと思ったりしました。
なにかおすすめの本や映画などがあれば教えていただきたいです☻
関連記事
コメント
[…] […]
[…] […]